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コスタリカ

現地レポート2019❷ 国立公園の温泉で自然エネルギーを考える

2019.1.23

今日はコスタリカに到着して最初の行動日でした。一行26人はホテルで睡眠を5~6時間とったあと、バスで3時間かけて北部の国立公園へ。目指すは富士山そっくりの形のアレナル火山の麓です。途中、コーヒー農園に寄ってコーヒーの木を観察し、収穫の作業の実際を聞きました。もちろん、試飲も。
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自然エネルギー大国コスタリカ

火山を見上げたあと、温泉へ。温水が川となり、途中で滝となって流れるところにみなさん、水着姿で入りました。僕は足湯だけです。ぬるめのお湯でしたが、両足をお湯につけてほんの15分ほどすると、体がぽかぽかしました。
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夕方はハチドリが目の前で花の蜜を吸うホテルでコスタリカの環境保護、自然エネルギー政策を、参加者のみなさんに1時間半、話しました。現在、コスタリカは国内のエネルギーの99.5%が自然エネルギーです。2017年には一時的に100%を達成した実績があります。主力は水力と地熱発電で、地熱発電の技術はほぼ100%、日本の技術、資金協力で成り立っています。

地熱発電は優れものです。一度作ってしまえば、いわば地球がある限り発電します。発電の仕組みは原発と似ていて、熱い蒸気でタービンを回して電気を作りだすのです。でも、原発が副産物で放射性物質を出すのに対して、地熱発電は温泉を産むのです。

もう10年以上も前、そう、福島の原発事故の前に北欧アイスランドに行ったときに世界最大の露天風呂を見ました。なぜこんなものを作ったのかと聞くと、「つくったのではなくて、できたのだ」と言います。地熱発電所をつくったところ、「ついでに露天風呂ができた」ことを知りました。地熱発電所をつくって温泉ができるのなら、温泉が沸く日本なら地熱発電ができるはずだと思って日本に帰って調べたのです。

すると信じられないことを知りました。今、日本できちんと地熱発電を開発すれば原発20基分の電力がとれるというのです。経済産業省の下の研究機関がHPでそう発表していました。だったら、やればいいじゃないか、と思って、それ以来、日本のエネルギー問題の有力な解決策として地熱発電を説いています。

温泉のアドレナリン効果?

参加者のみなさんは睡眠不足だし、今日の疲れもあるし、レクチャーの途中で寝ちゃうだろうなあと思ったのですが、いえいえ。みなさん、頭も行動も冴えていてちゃんとメモしておられます。「アドレナリンが出まくっているよう」と関西から参加した女性がつぶやきました。

さて、明日はまたエコツアーです。もっと北の、ニカラグアとの国境地帯に行きます。早く寝なくちゃ……と、またブランデーをちびちびやりながら、これを書いています。山小屋のようなエコロッジの外では鳥か何かがコクヨ・コクヨと鳴いています。
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