Articles

個人的な話

どこまで行っても明日がある(70歳誕生日)

2019.9.15

なんと、今日が誕生日で、70歳になりました。息子一家が祝いの電話をくれたのですが、その中でしきりに「コキ、コキ」というのが、最初はピンと来ませんでした。電話の子機かと思った。いえいえ、古希ですね。古来稀(まれ)なりと言って古稀と書くのが本来です。まあ、古い時代には稀だったのですが、今や希望を持つ年のよう。

今朝もノルディック・ウオーキングを30分やって、汗をかきました。昨日も一昨日も講演をしたけど、この顔で70歳というと驚かれます。余りに忙しくて、年をとってる気がしない。

朝からお祝いのメッセージをバンバン頂戴しています。青森のSさんからは新鮮野菜をクール宅急便でいただきました。さっそくキュウリをかじっています。先日は岡山のEさんからとろけるようなブドウをいただきました。ますます元気になりそう。本当にありがとうございます。キュウリもブドウもシルクロードを伝って中央アジアから日本に伝えられました。2000年の歳月を味わっています。それに比べれば、70年なんて……。

辺野古で活躍する「炎の歌手」川口真由美さんからは、なんと昨日作ったばかりという歌をいただきました。この4月に出した『世界を変えた勇気――自由と抵抗51の物語』(あおぞら書房)から影響を受けて歌詞を書いたとのこと。歌詞の中に「明日に向かう情熱 明日一緒にいよう アスタ・マニャーナ」という言葉が出てきます。アスタ・マニャーナとはスペイン語で「さようなら、また明日」という意味です。「あした、またーな」と覚えればよろしい~。

「ひょっこりひょうたん島」のドン・ガバチョが歌う「未来を信ずる歌」を思い出します。「今日がダメなら明日にしまちょ 明日がダメなら明後日にしまちょ 明後日がダメなら明々後日にしまちょ どこまで行っても明日がある」という歌詞でした。

これ、ラテンの精神です。この2月、ピースボートに乗って南米のウルグアイに行きました。「世界一貧しい大統領」のムヒカ氏は引退してお百姓さんをしており、雨の中、農作業をして風邪を引いて寝てました。代わりにカミさんに会いました。単なるカミさんではなく、今、副大統領をやってる神様のような方です。彼女自身、左翼ゲリラの闘志で、獄中に13年間入れられても頑張り続けた人です。その彼女に「闘いで勝つコツ」を聴きました。彼女は一言、「闘い続けることです」と明確に語りました。

日本ではよく「あきらめない」などと言います。「……しない」と否定的に言うと何か後ろ向きで悲愴になりがちです。ラテンは「……しよう」と肯定的に言います。こちらの方が前向きで、精神的にもいいなあ。昨日のことをくよくよすれば、それだけよけいに年をとりそう。「明日があるさ」と思えば、とった年も忘れそう。この精神で行き、生きましょう。両方合わせて活き活きしましょう。


ドン・ガバチョの未来を信ずる歌

歌:ガバチョ(藤村有弘)
作詞:井上ひさし/山元護久
作曲:宇野誠一郎

やるぞレッツゴー みておれガバチョ
あーやりゃこーなって あーなってこーなるでちょ
何が何でもやりぬくでちょ
頭のちょといいドンガバチョ
ドンドンガバチョでドンガバチョ ホイ

今日がダメなら明日にしまちょ
明日がダメなら明後日にしまちょ
明後日がダメなら明々後日にしまちょ
どこまで行っても明日がある ホイ
ちょいちょいちょーいのドンガバチョ ホイ


Copyright©Chihiro Ito. All Rights Reserved. サイト管理・あおぞら書房