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個人的な話

65歳のフリージャーナリスト宣言

2014.12.31

間もなく、新年が明けます。2014年、本当にお世話になりました。私にとってはとても長く感じる1年でした。

65歳になるにあたって、40年間務めた朝日新聞を9月13日に退社しました。その2日前には慰安婦報道などをめぐって朝日新聞の社長がお詫びの会見を開き、連日、社員集会が開かれるなど、社内が騒然とした中での退社でした。

今後のことはゆっくり考えようとしていたら、退社の翌日に母が亡くなりました。9月の1か月は、半年分くらいの長さに思えました。以後の12月までの3か月も、納骨や相続、独立の準備などであわただしく、年末になってようやく一息ついたところです。

新聞記者として最後の年に当たるため、書き残したことがないように、今年は例年のように海外に行くこともなく、新聞紙面に専念した格好です。『be』の「映画の旅人」では「阿賀に生きる」、「東京オリンピック」、「日本のいちばん長い日」を立て続けに書きました。悔いのない仕事をした最終年でした。

これからは独立し、フリーのジャーナリストとしてやっていきます。

2015年1月には都内の富士国際旅行社の企画で25人の申込者とともに、平和憲法を持つコスタリカを訪問・取材します。5月末から1か月ほど、ピースボートに乗ってポーランドから北欧を経て大西洋を渡りパナマ運河を通って、グアテマラまで航海します。さらに1か月、そのまま日本まで乗船するかもしれません。

現在、雑誌の連載は歌声の週刊紙『うたごえ新聞』に月1度、キリスト教の月刊誌『あけぼの』に毎月、映画月刊誌『シネフロント』にほぼ毎号書いています。ほかに写真誌『DAYS JAPAN』や法律家の月刊誌『法と民主主義』の2015年1月号にも書きました。年末に朝日新聞のデジタル紙面にキューバと米国の国交回復についての解説を載せたのを手始めに、これからは月に1度以上、朝日新聞のデジタル版に寄稿するつもりです。

『週刊金曜日』に「国際時転」という毎月1回のコラムを13年間にわたって書いていましたが、担当者が新人に替わったとたん、このコラムは他の国際欄もろとも突然、廃止されてしまいました。目を白黒させています。

フリーとしての独立は40年来の夢でした。

2015年は講演と執筆はもちろん、これまでの記者人生をふりかえりつつ、新しい活動形態を探り、構築していきます。朝日新聞にいるときも「本業ジャーナリスト、副業会社員」を公言して自由に行動してきましたが、これからはまさしく自由に羽ばたきます。どうぞ、よろしくお願いします。

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